ムツゴロウさん

ムツゴロウさんはみなさんご存知だと思う。あの、動物大好きムツゴロウさんだ。これまで、僕が生まれた時からムツゴロウさんという存在がいたため、また、彼のあまりの奇行に、彼の名前がムツゴロウさんであることについては、何も思わなかったのだが、よく考えてみると、名前がムツゴロウさんというのは普通に考えると、少しおかしいし、彼だからこそ、そのおかしさが目立つ。

彼は、動物好きで知られているのであって、魚好きで知られているわけではない。魚好きはさかなくんさんだ。ムツゴロウは有明海の泥の中に住む魚の一種であるわけだから、つまり、ムツゴロウさんはムツゴロウのことはそこまで好きではないはずで、これまでの彼の行動を見ていると、少なくとも、魚よりは、直に触れ合える、（クマとかライオンとかトラとかの）動物の方が好きなはずである。魚にはよしよしできないから。

それだったら、ムツゴロウさんではなく、マントヒヒさんとか、イボイノシシさんとかそんな名前にすればいいのにと思います。

こんなことをふと思いついたのだが、その時はネットが使える環境になかったため、現代の利器wikipediaでムツゴロウさんを調べることができなかったため、半日ほどムツゴロウさんについて思いを馳せることになってしまった。

前述の通り、ムツゴロウさんが少なくとも魚よりも動物が好きであることより、彼の名前のムツゴロウが、あの、魚のムツゴロウではないと仮定すると、割と話はすっきりする。ムツゴロウさんはもしかして、ムツ・ゴロウさんなのではないか。漢字で書くと、陸奥五郎さんである。陸奥とは東北地方の昔の呼び方、五郎は北の国からの主人公で、いわゆるあの五郎さんのことだ。記憶が確かであれば、ドラマの中でも、五郎は五郎さんと呼ばれていたはずなので、ムツゴロウさんの『さん』はムツゴロウ＋さんではなく、陸奥＋五郎さんと考えるのが自然で、敬称をつけてよぶならば、ムツゴロウさんさん（陸奥・五郎さん・さん）が正しいのではないかと思いついた。

ムツゴロウ王国が北海道にあることから考えても、陸奥五郎さんは北海道に憧れがあったに違いないので、この仮説はかなり信憑性があるな、これはいいことに気がついた、彼のニックネームには『俺は東北生まれ北海道育ち』というドラゴンアッシュよろしく、リリックが刻まれているのであって、これまでムツゴロウさんと呼び捨てにして申し訳なかったな、でも、あとは彼が東北生まれであることを確認するだけだな、などとウキウキして、帰宅してからwikipediaを調べると、彼、福岡生まれですよ。

ほんで、東京大学理２（当時は医学部も理２だった）を卒業してて、日本プロ麻雀連盟の相談役を務めるという謎経歴の持ち主で、東北には縁もゆかりもなく、ムツゴロウは出版社から名付けられた名前らしい。

がっかり。

終わります。

PHOTO　：　寿司屋でレモンを食べる次男