不必要な警告

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今日、息子を用事に送って行きがてらコンビニに寄った時に、コンビニの窓サッシにこのような記載がされているシールが貼ってあることに気がついた。

 
『!注意! 火災時、この扉が下がる場合があります。この下に立ち止まらないでください。』
 
注意書きは2✖️10cm位の小さなもので、こんなシールが貼ってあるのはこれまで気がつかなかったのだが、どうやら、構造をよく見るに、コンビニの窓のところの上3分の1が可動式になっていて、火災時などには、コンビニは基本的には窓がなく、排煙が出入り口からしかできないため、その窓の3分の1位が突然下に落ちてきてそこから排煙できるようになっているようだ。
 
僕が見たのは窓を構成するサッシの溝にそって垂直に、床から1.3mくらいのところのゴムストッパー部まで落下する構造のものだった。
 
最初は、この注意書きの意味がわからず、は?窓が落ちる?なぜ?位に思っていたのだが、なんとなく意味を考えていたら、なるほど排煙のためか、となってきて、その後、この注意書きは果たして意味があるのだろうかを思うようになった。
 
そもそも、落下する窓は窓から3cm位のところでサッシにそって落下するようになっているので、この落下する窓にぶち当たるためには、女子風呂を覗くがごとく相当無理な体勢で窓にへばりついていないとならない。窓の下には10cm位の頑張れば座れそうな段差があるのだが、ここに座っていると確かにぶち当たれるような感じがするが、当たるためには最低座高130cm以上必要で、座高130cmの人は相当でかい人だろうから、そんなところには座らない(見た感じでは座れない)ように思える。
 
立ったまま、後ろ向きでこの窓に寄っかかっている場合がもっともありうる場合だろうが、そもそも火災で排煙が必要な位に煙がモウモウとなっている時に、そんなところで悠長に窓に寄っかかっている人なんかは、その排煙窓の脅威をなんとかかわしたところで、別のどこかでなんらかの事故に巻き込まれる可能性が高いので、その注意書きが果たす役割はあまりにも小さいように思える。
 
そういう人向けの表示であれば(そういう人向けの表示じゃないとしても。現に僕はこのコンビニチェーンにそれこそ、少なく見積もっても、15年位は通っているのだが、この排煙窓シールがいつから貼っていたかは知らないが、今日初めて気がついた)、もっと誰が読んでもわかるように、巨大にわかりやすく、漢字にもすべてルビをうって、アルミサッシ枠全体を使って掲示するべきだと思う。なんなら、黄色と黒のトラテープを窓枠全体に施していただいて、フォント60位の赤字のMSPゴシック太字などで、どでかく、『!警告!警告!警告!火災時には窓が落ちます!警告!警告!警告!』とか、ちょっとキ⚪︎ガイじみたかんじのインパクト丸出しで書いていただきたい。
 
これから想像するに、この注意書きを書いている人は本気で事故を防ぎたいとおもっているわけではなく、なんとなく、申し訳程度に、いいですか、私、忠告しましたよ、何かあっても文句いわないでくださいね。大事なことなのでもう一度いいますよ、いいですか、ほら、ここ、みてください。注目ですよ。小さいけど。ちゃんと書いてあるでしょう。忠告してますよ。ほら、ほら。などと、保険のよく分からない重要事項説明書のように自らを擁護するためのアイテムを作っている意識が強いのではないかと疑ってしまう。
 
こうして世の中を見渡してみると、注意書きというのはいがいとおおい。アメリカであついコーヒーを飲んで火傷した人が訴えて80度以上のコーヒーを飲めなくなったり、レンジに猫を入れたアホのせいで、レンジに猫を入れないでなどと余計意味のわからない人を混乱させるような注意書きが書かれたりなど、結構どうでもいいようなことが注意書きにかかれて、それが生活の景観を汚している。それがまた、開き直って、インパクト大でかかれているならまだしも、申し訳程度に、小じんまりと気がつかない程度にかかれているので余計にどうかと思ってしまう。
 
僕なんかは、よさこい!美しい街並み推進委員会!の常任委員を務めているくらいなので、そのへん厳しめな目をもっているのだが、面白注意書きが世の中から無くなったらこのブログのネタもひとつ減ってしまうことを考えると、どちらがよいとは現時点では明言はさけておこう。ひとつだけはっきりしていることは、コンビニのサッシに貼ってあるシールをまじまじと見つめていぶかしげな顔をしている男を世間がどう見るかということである。